第2回:1月の湿度は20%台。なぜ「水」の化粧水では防げないのか:物理的限界の考察
- 1月の環境リスクと肌のメカニズム
1月の東京の平均湿度は30%前後まで下がり、室内では暖房の影響で20%を切ることも珍しくない。この極限状態において、肌から蒸発していく水分量(経皮水分損失:TEWL)は最大化する。40代の男性肌は、女性に比べて皮脂量は多いものの、水分保持能力は半分以下であるケースが多く、自覚症状のない「インナードライ」が進行しやすい。
ここで多くの男性が犯す過ちが、市販の「水(精製水)」を主成分とした化粧水を大量に塗り重ねることだ。
- 「水」を主成分とすることの論理的矛盾
多くの市販スキンケア製品は、その成分表示のトップに「水」が記載されている。全成分の約80%〜90%が精製水である場合、それを肌に塗布した直後は潤った感覚を得られるが、物理学的には逆の効果を生む。
空気が極度に乾燥している環境下では、肌に塗った水は瞬時に蒸発する。その際、肌内部にある本来必要な水分まで巻き込んで蒸発を加速させる「過乾燥(共連れ蒸発)」を引き起こすのだ。また、40代の男性は加齢とともに角質層が厚く硬くなる(角質肥厚)傾向があり、ただの「水」という分子構造では、この強固なバリアを突破して深層へ浸透することは論理的に不可能に近い。
- 2026年のスキンケアに求められる「密度」
これからの過酷な冬を乗り切るためには、水分で薄められた製品ではなく、肌の構造自体を補強するための「有用成分の密度」を重視しなければならない。表面を濡らすだけのフェーズは終わり、成分の組成そのものを問い直すべき時期に来ている。
