皮脂で肌がベタつく方は「私は脂性肌(オイリー肌)なのかも?」と思うかもしれませんが、実は肌が乾燥していて皮脂が多い「インナードライ肌」の可能性も…。では、「インナードライ」とはどんな肌なのか、まず確認してみましょう。

インナードライとは

インナードライとは、皮膚表面は皮脂でベタついているのに、角層の水分量が不足していて乾燥している状態です。一見油っぽい肌に見えるのですが、実は、角層の中(インナー)は水分不足で乾燥(ドライ)していることから「インナードライ」といわれています。一方、脂性肌とは油分も水分も多い状態。肌の水分量が少なく、ごわつきや皮ムケが生じてカサカサする場合はインナードライの可能性が高いです。

過剰に皮脂が分泌していているため、手のひらで皮膚表面を触ると皮脂がついてきます。

私たちの皮膚表面は天然のうるおい成分で作られている「皮脂膜」で覆われ、外的刺激から守られています。皮脂膜とは、水分(汗腺から分泌された汗)と油分(皮脂腺から分泌された皮脂)が混ざったもの。

この水分と油分の分泌量のバランスが良いと、ベタベタもカサカサもしない状態で、肌はもっちりするのです。しかし水分の分泌量が少なく、皮脂が多いとバランスよく混ざらずに、余った皮脂が皮膚表面を覆ったようになります。

 

★脂性肌とインナードライの違いは?

脂性肌とインナードライは皮脂量が多いという共通点があるためよく間違われます。

他にも共通の特徴として、毛穴が目立つ、ベースメイクがのらない・崩れやすい、などがあります。皮膚表面の皮脂が空気で酸化して赤みがあるケースもよく見られます。
脂性肌とインナードライの違いは、インナードライはかさつき感やガサガサ感があること。この状態が進むと皮ムケも起こります。ゴワつきがあり、肌が硬く、しなやかさもありません。夕方になるとくすみやすいという、時間が過ぎるとより肌状態の変化が気になりやすいのも特徴です。

 

★乾燥肌とインナードライの違いは?

水分不足は乾燥肌もインナードライも同じですが、乾燥肌は水分も皮脂も少ない状態です。

乾燥肌の場合は手のひらで皮膚表面を触っても皮脂はついてきません。さらに乾燥状態が進行するとインナードライ同様に皮ムケが見られるケースも、もちろんあります。「皮ムケ」の大きな原因は「水分不足」。皮ムケしている場所にクリームをつけると、一時的に皮ムケしている角質が皮膚表面に一旦「接着」されるようになるので目立ちにくくなりますが、すぐに元に戻ってしまいます。皮ムケが見られたら、肌の水分不足状態がかなり進んでいると考えてください。

 

インナードライ対策は、「角層の水分量を安定した状態で保つこと」と「与えたうるおいを蒸発させないこと」が基本です。この状態が保たれると皮脂が過剰に分泌する必要がなくなり、油水分のバランスが整います。ベタつき、毛穴の目立ち、赤み、ゴワつきが改善されていきます。